
米国ガラス協会 (National Glass Association、以下NGA)は、2022年8月にバイデン大統領による署名によって成立したインフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022)を高く評価しています。米国のガラス業界でも注目されているこの新法は、2030年までに炭素排出量を40%削減することを目的としたエネルギー及び気候問題に関するプロジェクトに対して、およそ4,000億米ドルの資金を投じるものです。
また、クリーンエネルギーへのインセンティブ(奨励金)に加え、この法律には高性能ガラスの設置又は製造に関わる企業に対しても関連する事項が含まれています。
法案の要点
- 既存・新築問わず、商用施設の所有者がよりエネルギー効率の高い設計を採用できるよう整備する。
- 米国における一般賃金(Prevailing wage)及び見習い使用要件(Apprenticeship requirement)を満たす企業に対しては、税額控除を引き上げる。
- エネルギースター認定(省エネルギーに関する環境ラベリング制度)の住宅・住居用ビルの税額控除を延長及び増額する。
- エレクトロクロミックガラス(調光ガラス)を米国法でいう「エネルギー資産(Energy property)」として追加し、その利用に対する税額控除を認める。
- 米国内のクリーンエネルギーの生産から輸送技術を含むサプライチェーン全体に対して、600億米ドル以上の予算を組み込む。
- 各州及び地方自治体が住宅・商業ビルのエネルギー条例を導入するために、米国エネルギー省に3億3,000万米ドルを割り当てる。
- 環境製品宣言(EPD)の支援プログラムを展開するために2億5000万ドルが米国環境保護庁に割り当てる。なお、これには建材メーカーへの補助金も含まれる。
- 2026年にかけて産業施設が温室効果ガスを削減するための技術を設置又は改良するための競争的補助金事業を目的に、米国エネルギー省に58億米ドルを割り当てる。
NGAの専門チームは、NGA構成企業に対して新法の詳細をまとめ9月7日にオンラインで説明会を実施しました。この説明会では、NGA支援サービス部門(Advocacy and technical services)ディレクターのUrmilla Sowell氏と、エネルギー法務コンサルタントのBirch Point Consulting社 Tom Culp氏が登壇しました。
NGAは2023年4月にワシントンDCで開催される第2回Glass & Glazing Advocacy Days(NGA主催のガラス業界フォーラム)で、米国会議員や政府機関職員、その他関係者とインフレ抑制法に関し引き続き対話を重ねていくとのことです。
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※情報出展元:glassonline.com 2022年8月31日掲載「NGA outlines impacts of the Inflation Reduction Act of 2022」
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