【ガラス設備】MAPPI社の心構え:お客様を第一に考える

強化炉といえば、生産性、技術特性、信頼性、コストなどを思い浮かべます。
それら成果の背景にあるのは長年の経験、独自の技術力、お客様のニーズを満たそうとする絶え間ない努力があります。ガラス業界紙・Glass Technology Internationalでは、強化炉メーカーのMAPPI社で22年間勤め、設計部門長に就任したGiulio dalla Costa氏に話を伺いました。

Giulio dalla Costa氏 (MAPPI社)

インタビュアー: GLASS TECHNOLOGY INTERNATIONAL (以下 GTI)
話: MAPPI社 Giulio dalla Costa氏 (以下GdC)

GTI: まず、強化炉の設計に対する考え方を教えてください。
GdC: 私たちの設計者の仕事の基本は、間違いなく「傾聴」です。ガラス工場の現場を日々観察し、そのニーズを理解していなければ、強化炉の設計はできません。新しいスタッフを採用する際にまず見るのは、教育課程ではなく、理解し、学び、革新しようとする情熱や意欲です。

GTI:MAPPI社で一人前の設計者になるには、どうすればよいのでしょうか?
GdC:機械や電気に関する知識は完璧でなければなりませんし、生産工程や様々な要素についても同様です。ガラス工場の環境を理解し、製造・据付チームと一緒に世界中を何度も回り、お客様の各種トレーニングにも参加しなければなりません。こうして、4、5年のトレーニング期間を経て、初めてMAPPI社の一人前の設計者としての資格を得ることができるのです。

GTI:そんなにも時間がかかるものなのでしょうか?
GdC:もちろんです。それが、MAPPI社のソリューションが常にシンプルかつ堅実で、信頼性が高く、不具合がなく、お客様に不快な思いをさせない理由の1つなのです。その場しのぎで間に合わせるというような、そんな甘い世界ではありません。

GTI: 設計部門全体をどのようにお考えですか?
GdC: 部門としては、複雑です。調整すべきスキルがたくさんあり、考慮すべき変動要因もさらに多くあります。ある人は機械的な設計に専念し、ある人は電気的な部分に専念し、ある人は電子工学や専用のソフトウェアに専念します。さらに、既存の機構に完全に精通している人もいます。これらをベストな形で管理できるとすれば、それは先ほど申し上げたトレーニングのおかげと言えるでしょう。ここでは、私たちは皆、同じ言葉で話しています。そしてガラスメーカーの日常業務を向上させるという、ただひとつの目標を共有しているのです。

GTI:ご存知のように、ガラス加工装置のシステムには多様な要素があり、その中には大きな改善点も含まれています。まず、年間30~50種類のガラスが新しく製造されていますが、それぞれに特殊な処理と強化が必要であることが分かっています。
第二に、エネルギー集約型のサプライチェーンを管理すること、つまり、消費を最適化することによって、どのような利益をどれだけを得ることができるのかということです。
第三に、ガラス工場では、熱処理工程での破損や不具合によって、5〜10%の廃棄物が発生します。MAPPI社では、これらの課題をどのように解決しているのでしょうか?


GdC:1点目は、お客様向けのトレーニングで対応しています。これは、5日間かけて「レシピ」の作り方、つまり、そのガラスの種類に合った強化炉のプログラムを、お客様自身が理解できるようにするための訓練です。多くの会社がやっているように、既製のレシピ集をお客様に渡して、あとはお客様自身の判断に任せるだけでは十分ではありません。それよりも、お客様をしっかりトレーニングして、自立してもらうことが大切です。10年、15年経っても、MAPPI社のお客様は、どんなニーズにも応えてくれるということを認識しています。
2つ目の質問ですが、MAPPI社は材料、機械設計、ソフトウェアに至るまで、エネルギー消費を最小限に抑えるための様々な努力をしています。その結果、少なくとも30%以上の省エネを実現し、他社製品との差別化を図っています。現在のエネルギー価格を強化炉の寿命に換算すると、購入費用の半分以上を節約できる計算です。
最後に3点目ですが、MAPPI社の新型強化炉を使用した場合、強化加工時の廃棄率は0.5%で、従来品の10分の1になると試算しています。つまり、エネルギー、原材料、時間、人件費の節約につながる品質と言えます。
これらが本当に重要な検討事項であることは、私が言うまでもないでしょう。

GTI:MAPPI社での22年間のキャリアを振り返って、最も印象に残っていることは何でしょうか?
GdC:この仕事は100ではなく“110%”を吸収する仕事です。情熱を持って取り組まなければなりません。自分のやっていることが、世界中の人々の生活や仕事の向上に役立っていることを実感できるのは、とても幸せなことだと思います。

強化炉 MTH series

※本記事は、glassonline.comを運営するA151 SRL社に特別な許諾を得て掲載しています
※情報出展元:Technology International September/October Year 33 No.5/2022 68 – 69 Page 掲載「MAPPI and mindset: Putting the customer first」

<今回のメーカー>
以下画像をクリックしていただくとメーカーのウェブサイトにアクセスできます

イタリア MAPPI 社

本記事に関する問い合わせ先
株式会社TGM 営業部 設備グループ
TEL: 03-6261-1260 MAIL: general@tgm-japan.com

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