【海外情報】ALLIED MARKET RESEARCH社 スマートガラスの台頭を分析

スマートガラス及びスマートウィンドウは、世界的な市場拡大とともに、建築分野や交通機関での利用が拡大しています。ALLIED MARKET RESEARCH社では、ハイグレードなプロジェクトにおけるスマートガラスの需要の増加に伴って、主要な業界プレーヤーのビジネスチャンスが拡大していることに着目しています。

原文著者:アライドマーケットリサーチ社 Koyel Ghosh氏;


近年、ハイブリッド車や電気自動車の新時代が到来し、エレクトロクロミック材料*の価格が下落する一方で、商用や交通機関を含むいくつかの産業分野でスマートガラス製品の需要が高まっています。このため、アライドマーケットリサーチ社では、2020年から2030年にかけての世界のスマートガラスおよびスマートウィンドウ市場のCAGR(年平均成長率)が大幅に上昇すると予測しています。

* エレクトロクロミック材料:電気をかけると着色したり、消えたりする高分子材料

大手メーカーが優先的に取り組むカスタマイゼーション
今日、世界中のトップメーカーは、付加価値的な技や機能を組み合わせた商業・住宅向けのスマートガラスソリューションを発表しています。これにより、消費者はより信頼性の高いスマートガラスソリューションを手に入れることができます。合わせガラスで作るスマートガラスは、外部からの衝撃を軽減し、仮に破損した場合でも人への危険を回避することができます。実際、高い商業的安全性を確保するために、このようなスマートガラスソリューションは不安定な力に耐える性能を促進しており、それによって採用率をさらに向上させています。

また、高いエネルギー効率とメンテナンス費用の大幅な削減が、スマートガラス・ウィンドウの主な要因として挙げられ、建築分野での採用が進んでいます。さらにいくつかの政府機関によって施行された厳格な省エネ関連法も、その採用を後押ししています。さらに、政府の方針やグリーンビルディングへの支援の高まりにより、スマートガラスは多くの産業で支持されるようになりました。例えば、インド鉄道では超高速列車のファーストクラスの窓にスマートガラスが採用されており、アジア太平洋地域でもスマートガラスの採用が進んでいることを示しています。

キャデラック セレスティック
注目すべきは、米国・ゼネラルモーターズ社がCadillac(キャデラック)の将来のフラッグシップセダンであるセレスティック(CELESTIQ)の生産準備に向け、米国ミシガン州にある技術センターに8100万ドル(2022年11月時点の為替で約110億円)以上を投資するという発表を行っており、同ブランドの再興と新世代を意味するものと言えます。キャデラックの総合的なフラッグシップは、正式なデビューが間近に迫っており、2023年までに展開されると予想されています。ゼネラルモーターズ社の社長が明言したように、すべてのモデルはテクニカルセンターの熟練した専門家チームによって特別に生産される予定です。今回の投資は、卓越した技術、エンジニアリング、デザインを誇るこのキャデラックに対する同社のコミットメントを示すものであると考えています。

セレスティックのフルガラスルーフは、SPD (浮遊粒子ディスプレイ)と4つのクワドラントタイプ(4分割タイプ)のガラスを採用した世界で最初のモデルです(4席それぞれで独立して制御が可能)。スマートガラスを採用することで、車内空間を損なうことなくルーフの透明性を満喫できるようになります。フロントシートではピラーからピラーまでの非対称のディスプレイを使用し、ドライバーの注意力を散漫にすることなく、快適な運転を楽しむことができます。同時に、リアシートでは、エンターテインメントのための特注のビューイングスクリーンを装備します。一方、座席間のコンソール・スクリーンは、エンターテインメント中に気が散らないよう、設定を解除することができます。REFR社が設計したスマートライトコントロールフィルム(調光フィルム)は、重要なスマートガラスモジュールです。これにより、乗員はボタンに触れるだけで、もしくは機構の設定により、プラスチックやガラス製品の色調を迅速かつ正確に制御することができます。

現在、このスマートガラス技術を用いた製品は、自動車、ヨット、飛行機、列車などに幅広く使用されていますが、住宅や商業施設での使用もまた急増しています。

新型コロナウイルス感染症COVID-19
最後に、このパンデミックによって、エレクトロニクス分野の生産が停滞したことを指摘しておかなければなりません。その結果、世界的に生産が大きく中断されることになりました。そればかりでなく、中国からの部品輸出にも支障をきたしました。中国製部品の輸出が途絶え、世界のスマートガラス、スマートウィンドウの市場に悪影響を及ぼしました。

しかし、経済が回復し始めると、新しい創意工夫を凝らした製品への需要も、かなりの程度まで回復してきました。現在、企業は革新的な次世代製品への投資に前向きで、新しい技術を駆使し、潜在顧客の発掘に努めています。


TGM wayでは、今後も当社取扱い商材やメーカーに限らず、海外の展示会や業界情報、建築に関する情報など、多様な記事をアップしていく予定です。

※本記事は、glassonline.comを運営するA151 SRL社に特別な許諾を得て掲載しています
※情報出展元:Technology International September/October Year 33 No.5/2022 72 – 74 Page 掲載「ALLIED MARKET RESEARCH unpacks the rise of smart glass」


本記事に関する問い合わせ先
株式会社TGM 営業部 設備グループ
TEL: 03-6261-1260 MAIL: general@tgm-japan.com

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中