スイスの大手ガラス加工メーカーの1社であるGlas Trösch社は、セラミックインクジェット印刷技術と太陽光パネルを組み合わせることで、優れたデザイン性を持つSWISSPANEL SOLAR太陽光パネルシリーズを提供しており、昨今、ガラス業界でも非常に重要視されている省エネとデザイン性を両立させています。今回は、欧州の板ガラス製品のトレンドをご紹介する観点から本記事を掲載させていただきます。

太陽光発電は今となっては主要な発電方式のひとつとなっており、太陽と設置場所さえあればどこでも発電が可能なため、世界中で利用されています。しかし、建物の屋根や外装の広いスペースを占める太陽光パネルは建物全体のデザイン性に大きな影響を与えます。スイス・Glas Trösch社が提供しているSWISSPANEL SOLARシリーズは、カバーガラスに任意の印刷を施し、一定の発電効率を維持したままデザイン性も両立しています。
SWISSPANEL SOLARシリーズは、Lucerne University大学応用化学研究室の協力も受け、セラミックインクジェット印刷技術を用いて太陽光パネルのカバーガラスに装飾を施しています。この印刷装飾は発電効率ロスを最小限に抑える事ができ、発電効率を維持しながら高いデザイン性を実現することができます。印刷される色やイメージによりますが、全面印刷されたカバーガラスを用いた場合でも、従来の太陽光パネルの約75~90%ほどの効率で発電が可能です。

最大限に自由なデザイン性
SWISSPANEL SOLARシリーズに使用されるカバーガラスには、Glas Trösch社のColorprint CPシリーズが使用されています。顧客の要望に応じて最大限に自由な色彩とデザインを提供しており、全面印刷、パターン印刷機、画像イメージ印刷、ロゴ印刷など多様なニーズに対応しています。印刷はフロントガラスの内側面にされており、印刷後に風冷強化などの熱処理がされることで、ガラス表面とインクが一体化し、風や天候などによる劣化から太陽光パネルモジュールを保護する役割も持っています。カバーガラスを印刷装飾ガラスに置き換える以外は、クリアガラスを用いた従来の太陽光パネルとモジュール構成は全く同じです。


SWISSPANEL SOLARシリーズは、屋根だけではなくファサードとしても使用可能です。自由なパターン印刷や色彩は、物件の外装に使用されると大きな存在感を発揮します。近づいてよく見ないと太陽光パネルとは分からないほどで、物件全体の外観を損なうことなく設置することができます。屋根に設置する場合は、太陽光パネル以外の外装に溶け込むようなデザインを実現することもでき、違和感を最小限にし、従来の太陽光パネルの様にデザイン性を犠牲にする必要はありません。こうした特性もあり、従来の太陽光パネルを設置しづらかった文化財に指定される様な伝統的な外観を持つ物件にも設置しやすくなっています。

このように多くのメリットがあるSWISSPANEL SOLARは、太陽光モジュール自体の寿命も従来品と同様との試験結果もあり、安心して省エネのため導入することができます。スイスで使用されている、製品が環境に与える影響をポイントとして表す指標でも、高い評価を得ています。また、印刷されたカバーガラスは欧州の主だった安全、品質、耐久性基準に適合しており、ICE標準の認証も取得しています。
次世代に住みよい環境の地球を繋ぐため、欧州を含む世界中で再生可能エネルギーの普及と温室効果ガスの削減は大命題として捉えられており、SWISSPANEL SOLARのような製品はそうした取り組みを推進する一貫として、注目を浴びています。機能性、デザイン性や省エネ性を兼ね備えた製品は、地球環境保護に貢献することから、今後も同様の性質を持ったガラス製品の発表や普及が待ち望まれています。
いかがでしたでしょうか。TGM wayでは、今後も当社取扱い商材やメーカーに限らず、海外の展示会や業界情報、建築に関する情報など、多様な記事をアップしていく予定です。
今後も是非チェックしてください!
※本記事は、glassonline.comを運営するA151 SRL社に特別な許諾を得て掲載しています
※情報出展元:glassonline.com 2022年2月28日掲載「Glas Trösch: Customisable printed front glass for solar modules」
本記事に関する問い合わせ先
株式会社TGM 営業部 設備グループ
TEL: 03-6261-1260 MAIL: general@tgm-japan.com