
FENZI Green Futureアクションプランで定義された持続可能な事業開発プロジェクトの一環として、FENZIグループは複層ガラス用シーラントの全製品について環境製品宣言(EPD)を達成したことを発表し、その取り組みを強化しています。
EPD (環境製品宣言) と呼ばれるこれらの文書は、認定を受けた第三者機関によって検証された自主的な環境宣言です。これらはあらゆる種類の製品やサービスに適用でき、国際基準に基づいています。EPDを通じて、製品のライフサイクルアセスメント(LCA)手法を活用し、特定の製品やサービスの環境への影響を、透明性が高く客観的で、尚且つ比較可能な方法で説明することができます。
LCA は、製品やシステムの環境への影響を評価するための最も体系化され、包括的で、国際的に標準化された方法です。上流過程 (製造前) から中核の過程 (製造)、下流過程 (設置、使用、保守、回収、廃棄) まで、ライフサイクル全体を評価します。
EPD 認証を取得することは任意ですが、特に環境コミュニケーションの面で生産者、流通業者、消費者にとってメリットがあるため、取得を選択する企業が増えています。
さらに、EPD は、以下の様な認証スキームでクレジットの取得に貢献することで、グリーンビルディングの開発において重要な役割を果たします。
◆CAM (最小環境基準) の評価
◆LEED 認証 (エネルギーおよび環境設計)
◆GBC Italia(グリーンビルディングカウンシルイタリア) UNI / PdR 13.1: 2015 プロトコルITACA(イタリアの建物の環境やエネルギーの持続可能性の評価システム)及びBREEAM(英国のグリーン認証プログラム)として知られています。
FENZI社のEPDの詳細
主要プラットフォームであるEPD Internationalで7月に公開されたFENZI社のEPDは、建設・建築製品に特化したもので、UNI EN ISO 14045規格およびPCR 2019:14に準拠して策定されました。
データ収集段階では、FENZIグループのESG(Environment/環境・Social/社会・Governance/企業統治)部門が調整し、イタリアの トリビアーノ(ミラノ県)、ベルギーのヴィルヴォールデ、ポーランドのジャウォルノという3つのヨーロッパの生産拠点が参加しました。
LCA分析は、EN15804規格に基づくライフサイクルモジュールのアプローチ(A1~A3/製造段階+C/廃棄段階+D/再利用・再生利用)を使用した Cradle-to-Gate(ゆりかごからゲートまで)に従って実施されました。この分析では、原材料の採取、生産 (「ゆりかご」) から、完成品の梱包と耐用年数評価も含む工場出荷(「ゲート」つまり顧客への配送前)までのFENZI社製品のライフサイクルを評価します。この分析では、流通、設置、および製品の使用段階は除外されています。
EPD取得に際し選択された宣言単位は製品 1 kg です。
A1~A3の段階では、原材料の採取、電力生産、天然ガスの消費、廃棄物の発生、排出、包装材の使用、シーラントの生産サイクル、生産現場への材料輸送に関するデータの分析が行われました。

その後、販売量に基づいて、各製品群から最も代表的な製品(Butylver TPS、Butylver、Hotver、Thiover、Thiover Hardener、Poliver、Poliver Hardener)が選択されました。
結果を分析すると、すべての影響カテゴリにおいて、主に上流過程 (A1)、特に原材料調達に関連するものが大きな影響を与えていることが明らかになりました。
一例として、Butylver TPSに関する事例を紹介します。


この成果は、環境への影響を最小限に抑えるというFENZI社の取り組みを強化するだけでなく、当社の製品が環境に与える影響について、透明性があり検証済みの情報をお客様に提供することにもなります。
FENZI社はより持続可能な未来を目指して、皆様との継続的なイノベーションとコラボレーションに取り組んでいくことを楽しみにしています。
◆CAM(最小環境基準)の評価とは、製品やサービスが環境に与える影響を最小限に抑えるための基準を満たしているかどうかを確認するプロセスです。この評価では、エネルギー消費量、廃棄物の削減、水や資源の効率的な利用など、環境負荷を軽減するための具体的な要素が考慮されます。
◆LEED認証(Leadership in Energy and Environmental Design)とは、建物や敷地利用の環境性能を評価する国際的な認証制度です。米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発し、環境に配慮した設計や建設、運用を行う建物を評価します。
この認証は、エネルギー効率や水資源の利用、材料の選択、室内環境の質など、持続可能性に関するさまざまな基準を満たすことで取得できます。認証レベルは、取得したポイント数に応じて「認証」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4段階に分かれています。
◆GBC Italⅰa(グリーンビルディングカウンシルイタリア)とは、イタリアにおける持続可能な建築を推進する非営利団体です。この団体は、環境に配慮した建築設計や施工を促進し、建物のエネルギー効率や環境負荷の低減を目指しています。また、LEED認証やイタリア独自の認証システムを通じて、持続可能な建築の基準を提供しています。
※※本記事は、FENZI社に特別な許諾を得て掲載しています。
※情報出展元:https://www.fenzigroup.com/en/the-fenzi-group-strengthens-its-commitment-to-a-more-sustainable-futureに掲載
※参考文献
橋立健司.「建設産業における カーボンフットプリントの算定」.先端建設技術センター.https://ppt-lab.presentationdesign.jp/cat_presentation/1595/,(参照日2025年3月12日)
circular ecology.「EN15804 Modules Explained」.https://circularecology.com/en15804-modules-explained.html,(参照日2025年3月12日)
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