
Matteo Padovan氏がGIMAV(Italian Association of Suppliers of Machinery, Accessories, and Special Products for Glass Processing /イタリアのガラス加工機械・付属品・特殊製品製造者協会)の副会長に就任したことを受け、同協会およびイタリアのガラス業界は、この分野の将来をめぐる議論の新たな段階に入ろうとしています。
ガラス業界における豊富な経営経験と、世界市場との密接な関わりを通じて培った国際的な視点を活かし、Padovan氏は、イノベーションの推進と、現在全体が現在推進中の変革に対応していくための能力に注力する姿勢で、新たな役割に臨みます。
私たちは彼と面会し、GIMAVが企業支援において果たす役割や、ますます統合が進み、革新的で競争力のある「グラス・エコノミー(Glass Economy)」の実現に向けた彼のビジョンについて話し合いました。
このインタビューは、ガラスおよび複層ガラス分野の専門家であり、研究、品質管理、規制遵守の分野で20年以上の経験を持つAndrea Stevanato氏によって行われました。

Matteo Padovan氏
Andrea Stevanato氏(以下、AS):GIMAVの副会長に就任されたことは、大変名誉なことだと思います。ご自身の担う責務の中で、特に重いと感じていらっしゃるのはどのような点でしょうか?
Matteo Padovan氏(以下、MS):私は、何よりもまず、会員企業に対する責任だと考えています。
GIMAVは、イタリアをガラス業界のグローバルなベンチマークへと押し上げた、極めて優れたサプライチェーンを代表する存在です。
私の目標は、各企業のニーズに耳を傾け、業界の成長と競争力向上に寄与する具体的な取り組みへとつなげていくことです。任期を終える頃に、会員企業からGIMAVが「より有益で、より身近で、より権威ある協会になった」として認識されるようになれば、私の目標は達成されたと言えるでしょう。
AS: 会員企業との対話をどのように強化していくお考えですか?
MS: 協会の役割とは、何よりもまず「耳を傾けること」にあると私は考えています。
企業は日々の課題に追われ、自らのニーズを伝える時間をなかなか持てずにいることが少なくありません。
GIMAVが取り組むべき優先事項は、企業自身から生まれるべきものであるのです。だからこそ、会員の皆様と、より直接的かつ継続的な対話を築いていきたいと考えています。
そうして初めて、私たちは真に有意義な活動を行うことができるのです。
AS: GIMAVは、規制の解釈において、より積極的な役割を果たすことができるでしょうか?
MP: 今日、規制の枠組みはますます複雑化しており、企業はしばしば解釈の相違に直面しています。 GIMAVは、機械メーカー、周辺機器メーカー、ガラス加工業者の間の対話を促進し、技術面における信頼できる拠り所となることができます。 経験や専門知識を共有すればするほど、私たちはシステムとしてより強固なものとなります。
AS: 任期中、最優先事項を3つ挙げるとすれば何ですか?
MP: 第一に、サプライチェーンがより一層、統合されたシステムとして機能するようにすることです。私たちは往々にして、機械、周辺機器、ソフトウェア、あるいはガラス加工といった分野をそれぞれ独立したものとして捉えがちですが、イタリアのガラス業界の真の強みは、まさにこうした異なる専門分野を結びつける力にあるのです。
第二に、イノベーションを加速させることです。
技術は急速に進化しています。私たちは、企業、特に中小企業が、デジタル化、自動化、人工知能(AI)といった課題に対し、実践的かつ成果を重視するアプローチで取り組めるよう支援しなければなりません。
第三に、ますます複雑化する環境下において、会員企業の競争力を強化することです。
サステナビリティ、エネルギー効率、そして新たな規制要件は、単なる制約ととらえるのべきではありません。むしろ、価値を創造し、イタリアのグローバルなリーダーとしての地位を確固たるものにするための原動力として捉える必要があります。
AS: あなたの国際的な経験は、GIMAVのプロジェクトにどのような影響をもたらすでしょうか?
MP: 世界中のクライアントや市場と日々向き合う中で、この業界のニーズがどのように変化しているのかを間近で観察できることは、私にとって幸運なことです。
こうした国際的な視点は、ビジネスチャンスを見出し、トレンドを予測し、市場の向かう先を理解する上で大いに役立ちます。私は、GIMAVが各企業に対し、自国の枠を超えて視野を広げるよう支援していく必要があると考えています。もちろん、その際にも「メイド・イン・イタリー(Made in Italy)」が持つ独自のアイデンティティと卓越性は、しっかりと維持されなければなりません。
AS: 当協会は、どの市場に最も注力すべきでしょうか?
MP: 欧州と北米は依然として重要な市場ですが、現在、インド、北アフリカ、東南アジア、中東といった地域においても、先進的なガラス技術への需要が拡大し続けており、大きなビジネスチャンスがあると考えています。
総じて言えば、単一の市場に注力するのではなく、企業が事業を多角化し、ますます国際的な存在感を高められるよう支援することが、重要な課題であると考えています。
AS: EPD(環境製品宣言)、欧州タクソノミー(環境に優しい経済活動を明確に定義するためのEUの共通分類基準)、デジタル製品パスポート(DPP:製品の原材料・製造履歴・環境情報などを電子的に記録し、追跡・確認できる仕組み)に関連する移行プロセスにおいて、GIMAVは企業を支援する上でどのような役割を果たせるでしょうか?
MP: 現在、多くの企業、特に中小企業は、規制や書類作成に関する要件の増加に直面しています。懸念されるのは、こうした課題が単なる「コスト」や「官僚的な手続き上の義務」と見なされてしまうことです。
しかし私は、GIMAVが実践的なツールや研修、議論の場を提供することで、企業がこれらの課題の戦略的価値を理解できるよう支援すべきだと考えています。
どの企業も、こうした課題に単独で立ち向かうべきではありません。
AS: イタリアの業界は、デジタルトランスフォーメーションや人工知能(AI)に対応する準備ができていますか?
MP: すでに大きく先行している企業もあれば、まだ取り組みを始めたばかりの企業もあります。これはごく自然な状況です。
私が注目しているのは、私たちの業界を常に特徴づけてきた、強力なイノベーションの力です。人工知能(AI)、データ分析、自動化といったものは、もはや未来の話ではなく、すでに私たちの働き方を変えつつあるツールとなのです。
GIMAVは、各企業が自社のビジネスモデルに真に適合する機会を見極められるよう支援し、これらの技術が単なる議論の対象にとどまることなく、実際に活用されるようサポートします。
AS: 今後数年間で、Vitrumはどのように進化していくとお考えですか?
MP: Vitrumは、単なる見本市にとどまらない存在を目指すべきだと私は考えます。このイベントは、ガラス業界の未来が構想される場になるべきなのです。
長年にわたり、この業界はさまざまな分野、技術、市場において発展を遂げてきましたが、それらは往々にして並行して進み、時には互いに競合することさえありました。
しかし今日、私たちが直面している大きな課題 「持続可能性から人工知能(AI)、エネルギー効率からプロセスのデジタル化に至るまで」は、これまでとは異なるアプローチを求めています。イノベーションは、異なるスキル、技術、ビジョンが融合する場所から、ますます生まれるようになっているのです。
だからこそ私は、Vitrumが世界のガラス経済全体の中心地となり得る存在になると考えています。
そこは、機械、素材、ソフトウェア、自動化、板ガラス、中空ガラス(瓶ガラス等)、建設、自動車、エネルギー、さらにはデザインの各分野のメーカーが、互いに隔絶された存在としてではなく、共に進化するエコシステムの一部として関わり合える場所となるべきなのです。
その目的は、単に製品を展示することにとどまらず、異なる分野の知見を融合させ、協業を促進し、新たなアイデアを創出することにあります。
現在、競合関係にある、あるいは異なる市場に属すると見なされている技術同士が、互いに補完し合う関係となることで、単独の企業では成し得なかったようなイノベーションを生み出す可能性も秘めています。
私は、Vitrumが、現在の主要プレイヤーだけでなく、何よりもガラスの未来を形作ろうとしている人々が集う場となることを願っています。
対話とイノベーションのためのこの国際的なプラットフォームを構築できれば、Vitrumは単なるイタリアの主要見本市にとどまらず、ガラス業界全体における世界的なベンチマークの一つとなるでしょう。
Vitrumは、この業界が過去2年間に達成したことを披露する場ではなく、今後10年間に達成すべきことを構想する場であるべきなのです。
AS: イタリアの競争力は、サプライチェーン全体を共同で設計する能力に、ますます依存するようになるのでしょうか?
MP: 私はそう確信しています。
今日、イノベーションが単一の製品から生まれることはほとんどありません。
顧客は、機械、材料、ソフトウェア、そしてプロセスが相互に連携する包括的なソリューションを求めているのです。
イタリアのガラス業界の大きな強みのひとつは、まさに、卓越した高度な専門性を持つサプライチェーンが存在することにあります。
私たちがさらに連携を深めることができれば、他の国では容易に模倣できないような価値を市場に提供できるようになるはずです。
AS: GIMAVは、企業が抱えるスキルギャップを埋めるためにどのような支援ができるでしょうか?
MP: 人材は、当業界の未来にとって、おそらく最も重要な課題の一つです。
多くの若者は、ガラス業界が技術、イノベーション、そして国際的な展望という点で提供できる可能性についてあまり認識していません。
私たちは学校、大学、専門学校との連携を深め、私たちがどのような存在であり、どのような活動を行っているかを、よりうまく伝えていく必要があります。
GIMAVは、教育界と産業界の架け橋となることができます。
AP: 他の業界団体との連携をより強化することは、戦略的だとお考えですか?
MP: その通りです。
ガラスは、建設、自動車産業、エネルギー、家具、デザインといった重要な分野で使用されています。私たちが直面する課題の多くは、他の産業分野とも共通するものです。
チームとして取り組むことで、公的機関に対してより大きな発言力を持つことができ、企業の競争力に影響を及ぼす意思決定に対して、より効果的に貢献できるようになります。
今日、連携こそが戦略的に極めて重要な要素であると私は考えています。
Matteo Padovan氏の言葉からは、連携、イノベーション、そして変化を先取りする能力によってますます推進されるガラス業界の姿を映し出しています。これは企業、業界団体、さらには多様な専門分野が関与する挑戦であり、イタリアのガラス業界にとっては、国際市場における地位を強化する好機でもあります。こうした観点からみると、ガラス経済の未来は、いかに協力し合い、変化を新たな成長の機会へと変えていけるかという点に、ますます大きく左右されることになるでしょう。
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※本記事は、Glass on lineに特別な許諾を得て掲載しています。
※情報出展元 https://www.fenzigroup.com/en/fenzi-group/news-events/a-new-vision-for-the-glass-economy に掲載
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