2025年8月14日（現地時間）に米国労働統計局が発表した生産者物価指数（品目別情報）の　速報値によれば、2025年7月度の板ガラスの生産者物価指数は177.884であり、先月比+5.313（+3.079%）、前年同月比で+4.802（+2.774%）と　なりました。

生産者物価指数は、生産者（製造メーカー）の出荷価格に基づく価格変動を表す経済指標であり、上述の数値は1982年の価格を100として算出されています。　　一般的に消費者物価指数よりも景気動向の反映が早い指標として参照されています。過去10年の板ガラスの生産者物価指数の推移を下図に示します。

2025年7月の板ガラス米国生産者物価指数（PPI）は、前月（2025年6月）と比較して3年ぶりの大幅な上昇を記録いたしました。　特に注目されたのは、サービス部門の価格が+1.1%と急騰し、卸売・小売業者の利益率が2%上昇した点です。　　これは、企業がこれまで内部で吸収してきた関税関連の輸入コストを製品やサービスの価格に転嫁し始めた可能性を強く示唆しています。

この動きは、板ガラス業界にも静かに、しかし着実に影響を及ぼしている可能性があります。板ガラスは建築や自動車、家電など幅広い分野で使用される基礎素材であり、米国市場でも多様な用途があります。近年はスマートガラスや高機能複層ガラスといった付加価値の高い製品が注目されていますが、これらの製造にはエネルギーや輸入原材料が欠かせません。今回のPPI統計では、サービス部門の価格上昇に加えて中間財も0.8%上昇しており、特にディーゼル燃料などのエネルギーコストが板ガラスの製造コストに少なからず関係していると推察されます。
引き続き動向を注視して参ります。

出典：米国労働統計局(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS), PPI Commodity data for Nonmetallic mineral products-Flat glass, not seasonally adjusted

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