
欧州委員会は6月30日、加盟国による新しい建築物のエネルギー性能に関する指令(EPBD)の実施と国内法への導入を支援するための支援パッケージを採択しました。この対策の一環として、 「透明建築部材」 のエネルギー性能に重点を置いた文書が公開されました。
EPBD:Energy Performance of Buildings Directiveの略(EUにおける建物エネルギー性能指令)で、EU加盟国に対し、建物のエネルギー性能に関する規制導入を義務付けるものです。
改正EPBD第4条は、建物のエネルギー性能の計算方法、特に「建物外皮を構成する透明な建築要素及び周囲エネルギーの考慮」の見直しを求めています。この文書は、建物のエネルギー性能の計算に関する共通の一般枠組みの改訂を支援するガイダンスに含まれており、該当の資料は以下に公開されています。

改正に伴い、新たに追加または大幅に変更された条項に関する
ガイダンスを示す、欧州委員会による通知案の内容が承認されました。
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欧州連合全体で、窓に対する最低限のエネルギー性能要件は、ほぼ全てが熱貫流率(U値)に基づいて定められています。 そのため、窓ガラス部材の性能最適化が妨げられています。
この課題に対応するため、欧州委員会は加盟国に対して、U値とg値(日射熱取得率)の両方に基づく最低性能基準を設けることを推奨しています。 g値は、日射熱の取得率を表す指標です。 このガイダンスでは、建物の種類や工事の種類によって適用方法に差を設けている一方、すべてのケースでU値とg値を考慮することが推奨されています。
欧州委員会は、新築の非住宅および住宅建築物、または大規模な改修を行う場合には、より高度なエネルギー性能の計算が可能であることを認識しています。 一方で、既存の住宅や小規模な非住宅建築の改修に関しては、「性能の最適化を目的として、古くなった窓ガラスなどをその部材の性能(U値やG値など)を最適化する高性能な代替品に交換するなどの要素を考慮する必要がある」と明確にしています。
また欧州委員会は、加盟国に対して、特に中小企業がエネルギー性能基準を確実に満たせるよう、意思決定と対応を後押しする支援策の整備を推奨しています。
Glass for Europe(欧州ガラス協会)は、各国の提携団体と連携しながら、EU加盟国が本ガイダンスを政策として反映できるよう働きかけます。その結果、具体的な規制改正につながることが期待されています。
加盟国が、改訂された「EUにおける建物エネルギー性能指令(EPBD)」を実施する期限は、2026年5月29日です。
※本記事は、Glass onlineに特別な許諾を得て掲載しています。
※情報出展元: https://www.glassonline.com/gfe-european-commissions-guidance-on-transparent-building-elements/ に掲載
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