【海外情報】Glass for Europe(欧州板ガラス協会): 今後の環境性能宣言に関する指針

Glass for Europe(欧州ガラス協会)は、新建設資材規定(CPR)に基づく建設資材の環境特性宣言に関する規定を論じた立場表明(ポジションペーパー)を発表しました。 その内容は以下の通りです。

◆データの質への影響と板ガラスのバリューチェーンへの負担の両面で、「Worst-case」シナリオを適用すべく現在計画されていることの問題点を指摘
◆新しいCPRの下で重要な環境特性を宣言するために、既存のEPD(Environmental Product Declaration: 環境製品宣言)規定を使用することを支持
◆worst-caseシナリオを適用するよりも、現在の懸念によりよく対応するEPD規定の調整を提案

板ガラスの生産には、様々な企業や 製造拠点で製造・加工される数十万種類もの製品が含まれます。すべての製品とメーカーに適用された場合、worst-caseシナリオを適用することの複雑さは、顧客と共有する情報の信頼性を高めることなく、大きな負担とコストを発生させる可能性があります。

Glass for Europeは、顧客、加工企業、メーカーが適切に調整された規定に対応できるよう、CPRの持続可能性規定の実施に関わる利害関係者と連携していくことを明言しています。

建築用ガラス業界にとって、CPR の要件と当局の懸念事項を満たしながら、代表平均値を使用して顧客に報告される環境データの品質を確保することは優先事項です。本稿は、現在の議論に対する当協会の立場からの提案で あり、その趣旨は以下の通りです。

この報告書に対して、Glass for Europeの技術規制および製品政策マネージャーであるジJustin Loup氏は次のように述べています。「LCAの専門家は、建築用ガラスの信頼できる環境指標を宣言するための規定を20年以上にわたって開発してきました。新しい規定は、この長年の取り組みを基にすべきです。」

CPR(Construction Products Regulation)について:
Construction Products Regulation(CPR)は、欧州連合(EU)が2011年に制定した規定で、EU内での建設製品の流通を標準化することを目的としています。 この規定は、建設製品の安全性、性能、環境への影響に関する要件を統一し、消費者や公共機関が異なる製品のパフォーマンスを比較できるようにするための共通の技術言語を提供します。

主なポイントは以下の通りです:
◆性能宣言(Declaration of Performance):製品の性能に関する情報を提供し、CEマークを取得するために必要な文書です。
◆CEマーク:製品がEUの基準を満たしていることを示すマークです。
◆統一規格:製品の性能を評価するための技術的な基盤を提供します。
◆市場監視:建設製品の品質と安全性を確保するための制度です。

2024年には、CPRが更新され、環境への影響に関する情報の報告が強化されました。 これにより、製品のCO2排出量やエネルギー使用量などの環境指標についての報告が求められるようになりました。
この規定は、EU内での建設製品の流通を円滑にし、安全性と環境への配慮を強化することを目指しています。

LCA(Life Cycle Assessment)について:
製品やサービスのライフサイクル全体にわたる環境影響を評価する手法です。 これには、製品の原材料の採取から生産、流通、使用、廃棄までのすべての段階が含まれます。

主なステップは以下の通りです:
◆目的と範囲の定義:何を評価するのか、どの範囲で評価するのかを決定します。
◆ライフサイクルインベントリ分析:すべてのエネルギー,材料,排出物をリストアップします
◆環境影響評価:リストアップした項目が環境にどのように影響するかを評価します。
◆解釈:結果を解釈し、環境に対する影響を減少させるための対策を考えます。

LCAは、環境にやさしい製品を開発するための重要なツールであり、企業や研究者が持続可能な製品を作るために広く利用されています。

EPD(Environmental Product Declaration):環境製品宣言
製品の環境影響についての情報を提供する文書です。 これには、製品のライフサイクル全体にわたるエネルギー消費や温室効果ガス排出量、資源使用量などが含まれます。

EPDの主な目的は、以下の通りです:
◆透明性の確保:製品の環境影響に関するデータを提供し、消費者や企業が製品の環境性能を比較できるようにします。
◆持続可能性の促進:製品の環境影響を把握し、改善するための基礎データを提供します。
◆規制遵守:建設製品規制(CPR)などの法規制に適合するために必要な情報を提供します。

EPDは、独立した第三者によって検証され、信頼性が高い情報を提供することが求められます。これにより、企業や消費者は、持続可能な選択をするための根拠を得ることができます。


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