
2月26日に予定されているClean Industrial Deal(以下、クリーン産業協定)の発表に先立ち、Glass for Europeは、欧州の産業環境改革を意欲的な競争力強化に結びつけるべく、この構想に関する提言を発表しました。
クリーン産業協定は、欧州委員会委員長が2期目の任期開始時に発表したものです。この構想は、欧州の持続可能な繁栄と競争力のための新たな計画の礎石となるものであるという意味を持っています。その目的は、脱炭素化と開発に関する欧州共通の目標を達成するために、企業を支援し、適切な条件を整えることです。
同協定の発表に伴い、課税基準など一部の法律の報告要件を簡素化する「オムニバス・パッケージ(一括提案パッケージ)」が提案され、現実的なエネルギーに関する行動計画が発表される予定です。
温室効果ガス排出削減における板ガラス製品の重要な役割を考えると、クリーン産業協定は、板ガラス業界が現在直面している以下のような課題の解決に貢献しなければならないという点に留意する必要があります:
◆建設・自動車産業の景気低迷による板ガラス製品に対する過去にない需要の低迷
◆エネルギーコストの高騰、操業コストと規制コストの増加は、この業界の国際競争力に影響
クリーン産業協定を正しい方向に導き、全てのエネルギーの多い産業に対して十分な配慮がなされるようにするため、Glass for Europeは、3つの主要ブロックに関する提言をまとめました:
1.脱炭素化への取り組みを支える産業の競争力への支援
2.板ガラス製造のような重要な産業を支援策で促進
3.新たな産業政策において、持続可能な建設に相応する重要な役割を付与
具体的な提言は、Glass for Europeのポジション ペーパー(声明)に記載されています。
Glass for Europeのポジション ペーパー(声明)
クリーン産業協定
板ガラス業界を支援し、最先端素材における持続可能な変革を可能にします。
欧州の板ガラス業界は、欧州の脱炭素化目標達成の鍵を握っています。その製品は、建物のエネルギー効率を向上させ、クリーンな交通手段への移行を支援し、効率的な再生可能な太陽光発電に貢献しています。板ガラスは、あらゆる用途においてかけがえのない素材であり、その技術的進歩、安定供給、入手のし易さは、欧州の多くの基幹産業、経済的安全保障、低炭素の未来にとって極めて重要です。
しかしながら、この業界は現在、エネルギーコストの高騰や建設・自動車産業の需要の大幅な落ち込みによって、深刻な市場競争力の問題に直面しています。この状況は、過去10ヵ月間にEUの生産能力の20%近くを縮小させることにつながり、これまでの危機では経験したことのない規模となりました。
板ガラス業界は、持続可能性へのコミットメントを表明しているものの、このような困難な状況は、以下のような革新的な脱炭素化ソリューションへの投資能力を危うくするものであると指摘しています。
板ガラス業界の概況

業界が直面する課題
市場競争力: エネルギーコストは欧州域外の競合他社より3~4倍高く、脱炭素化のための大規模な投資も必要であるため、欧州市場が低迷している現在、欧州の産業界は国際競争の激化に直面しています。
脱炭素化: 板ガラスは脱炭素化が難しい業界です。業界は脱炭素化を目指したガラス製品を市場投入し、脱炭素化のガラス生産の先駆けとして研究開発に投資してきました。投資のリスク軽減とエネルギー価格の引き下げは依然として大きな課題です。
リサイクル :板ガラスは100%リサイクル可能な素材です。しかし、物流や技術の障壁により、エネルギー消費と原材料を削減し、CO2排出量を削減するために不可欠なクローズド・ループ・リサイクル・システムの確立を妨げています。
クローズド・ループ・リサイクル・システム:
製品や部品を再利用し、廃棄物を減らすためのシステムです。 製品のライフサイクルを延長することで、資源の有効活用と環境保護に寄与します。 このシステムは、持続可能な消費と生産を目指すための重要な取り組みです。
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