【海外情報】FLABEG 社, MARPOSS 社, OLYMPIAS 社 による業界対談 第2部-スマートガラスフォーラム2024

Glass Technology Internationalは、5月8日、ボローニャで開催されたE-tech Europeの自動車スマートガラスフォーラムで司会を務め、ドイツFLABEG社のMatthias Schiller博士(CTO)、MARPOSS社のオートモーティブ・ガラスのLuca Bruni博士(グループ産業マネージャー), OLYMPIASのAgamemnon Varonos博士(CEO)の3名から、最新のスマートフロントガラスのイノベーションが自動車業界にどのような影響を与えているかについて重要な洞察を聞くことができました。この業界対談は3部構成で皆様にお伝えします。 シリーズ第1部に続き、シリーズ第2部では、特にMARPOSS社のBruni博士のプレゼンテーションを取り上げます。

MARPOSS社
進化し続ける技術革新と成長

MARPOSS社は、1952年にMario Possati氏により設立され、創業以来培ってきた幅広い工作機械の制御において長年にわたり確固たる地位を築いてきました。70年間にわたり、インプロセス(加工しながらの測定)/ポストプロセス(加工直後の測定)を制御する様々なソリューションを開発し、顧客の近くに拠点を置くため、34か国に拠点を拡大してきました。従業員の3分の1がボローニャの本社に勤務している中で、MARPOSS社の売上高の90%以上は、海外での売り上げです。この世界的な販路拡大は過去20年間の30件の戦略的買収によって補完され、MARPOSS社が多様化してさまざまな顧客のニーズに応えてきています。

自動車業界の絶え間ない急速な変化に対応
MARPOSS社は、自動車産業における内燃式エンジン(ICE)から電気式エンジン(EV)への重大な変化において最前線に立ち続けています。同時にデジタル化による品質管理も推進してきました。特に、20年以上にわたって自動車用ガラス業界に、革新的ソリューションを提供してきました。同社は、生産中の品質管理を重要課題として長年取り組んできており、その取り組みは設備総合効率(Overall Equipment Effectiveness(OEE)指標からも明らかです。この設備総合効率とは、生産設備の稼働効率に関する階層化された指標であり、設備の利用可能性(Availability)、性能(Performance)、品質(Quality)の3つの要素から構成されています。 MARPROSS社は、スクラップやコスト削減に貢献する品質管理に非常に優れており、多くのメーカーの目標であるコスト削減にもお応えしております。

自動車用ガラスの変革
自動車用ガラスの役割は、自動車の黎明期から劇的に進化してきました。当初は、エンジン技術の革新に重点が置かれ、自動車用ガラスには最小限でシンプルなガラス材が使用されていました。今日、自動車用ガラスは、車のデザイン性と安全性の両方で極めて重要な役割を果たしており、現代の車両デザインと機能性にとって不可欠なものとなっています。更に、自動車の商品価値自体にも大きな影響を及ぼす要因となっています。最先端の自動車用ガラスの使用が増加しているだけでなく、薄板化が進み物理的な衝撃に対する耐性も有しながら、車両全体の軽量化と安全性の向上に貢献しています。進化する自動車産業を支える革新的なテクノロジーには、ガラス一体型アンテナ(フロントやリアなどのガラスにアンテナ機能を組み込み電波の送受信が可能となり、安定した5G高速通信が可能)、遮音ガラス(交通騒音や風切り音など、車外から入り込むこれらの騒音の透過を大幅に低減)、透過光を調整する調光ガラス、防曇コーティングと撥水性ガラスによる前方の良好な視界を確保、ヘッドアップディスプレイ (HUD:進行方向から目を離すことなく、ドライバーの視野内に情報を直接表示する拡張現実)などがあります。

最先端の自動用ガラスの特徴
自動車用ガラスの使用量が増加するにつれて、軽量特性を維持し、電力消費、バッテリー寿命、CO2排出ガスの最小化が求められています。最新の合わせガラスは、厚さが3.5mm未満になることもあり、乗員の安全性を最大限に保護する高い耐衝撃性を維持しながら20kgの軽量化を実現しています。これらの機能強化により、ユーザー体験と車両性能が向上し、車が走行する時に受ける空気抵抗を減らすために車体形状をaerodynamic(スポーツカーのように流線型のデザインにより空力性能を高める)にしながら、美しいデザインを維持するという両方の要件を満たします。

お客様の期待に応える
MARPOSS社は、精度、速度、柔軟性に対する顧客の要望に応えています。同社のセンサーとシステムは、自動車業界の厳格な安全基準に不可欠な高精度を実現しています。MARPOSS社は、数秒以内にガラス表面200以上の測定が可能で、さまざまな生産ラインに適応できる迅速なサイクルタイムを実現しています。さらに、同社のシステムは、柔軟性を考慮して設計されており、最小限の調整でさまざまな種類のガラスを測定できるため、多様なお客様のニーズに対応しております。

ガラスの高度な制御ソリューション
MARPOSS社は、自動車用ガラスの制御に 次に挙げる3つの主なアプローチを採用しています。
□接触式センサー
従来の方法では、空気圧で作業する接触センサーを使用して、形状、型、エッジを測定します。
□非接触式センサー
非接触式センサーには、光センサー (クロマティックコンフォーカル技術) が含まれます。ガラスに物理的に接触することなく厚さを測定できるため、測定中にガラスを傷つけることはありません。
□MAESTRO システム
MAESTROシステムという高度な非接触ソリューションでは、ロボットを使用してさまざまな種類のガラスを測定します。MAESTROシステムは、MARPOSS社のグループ企業と共同で開発しました。測定ヘッド内に複数のセンサーを統合し、ガラスの特性を連続的に測定できるシステムです。このシステムは、寸法、曲率、厚さ (エアギャップ) などの複雑な測定を処理でき、測定軌道を最適化する高度なソフトウェアによって管理されます。

パートナシップと顧客ソリューション
MARPOSS社は、技術パートナーとして、エンドユーザー、自動車用ガラス製造者、インテグレーター、測定ベンチを製造する企業とともに連携しています。MARPOSS社は、販売代理店と現地オフィスの広範なネットワークを通じて、顧客の要件に応じて、個々の構成部品からから統合システム(サーバ、ストレージ、ネットワークのインフラストラクチャを組み合わせ、プロビジョニングと管理を容易にする管理ソフトウェアを備えたシステム)まで、世界中にカスタマイズされたソリューションを提供しています。MARPOSS社は、技術革新と品質への取り組みを通じて、自動車用ガラス業界向けの最先端のソリューションの提供において、先駆的な役割を引き続き担っています。

※本記事は、本記事は、glassonlineに特別な許諾を得て掲載しています。
※情報出展元:Glass Technology International_2024_October-Novemberに掲載


以下画像をクリックしていただくとウェブサイトにアクセスいただけます




本記事に関する問い合わせ先
株式会社TGM 営業部 設備グループ
TEL: 03-6261-1260 MAIL: general@tgm-japan.com




			

コメントを残す