【海外情報】FLABEG 社, MARPOSS 社, OLYMPIAS 社による業界対談 第1部-スマートガラスフォーラム2024

Glass Technology Internationalは、5月8日、ボローニャで開催されたE-tech Europeの自動車スマートガラスフォーラムで司会を務め、ドイツFLABEG社のMatthias Schiller博士(CTO)、MARPOSS社のオートモーティブ・ガラスのLuca Bruni博士(グループ産業マネージャー), OLYMPIASのAgamemnon Varonos博士(CEO)の3名から、最新のスマートフロントガラスのイノベーションが自動車業界にどのような影響を与えているかについて重要な洞察を聞くことができました。この業界対談は3部構成で皆様にお伝えします。まずシリーズ第1部では、特にFLABEG社のSchiller博士のプレゼンテーションを取り上げます。

FLABEG AUTOMOTIVE社
自動車用スマートガラスの高視認性の軌跡

急速に進化する自動車業界において、FLABEG社はスマートガラス技術の分野でリーダー的存在です。 ドイツ、ハンガリー、中国に製造拠点を持つ同社は、140年の歴史を背景に、ガラス用途における専門知識と革新技術を誇っています。 この点で、FLABEG社が3Dフリーフォーム(自由形状)のディスプレイ用カバーガラスに注力していることは、自動車のデザインと機能性の両方の未来を形作るという同社の本格的な取り組みを明確しています。

ガラス用途の多様性
ガラスはその優れた特性から、自動車の幅広い用途に適した理想的な素材です。技術的には、自動車用ガラスは、キズつきにくい、耐久性が高い、紫外線をカットする機能が安定している、コーティングしやすく、高度な E モジュールを備えていることで評価されています。 しかし、ガラスには人々の感情に影響を与える魅力もあり、透明感と高い品質を伝え、車両の全体的な美観と質感も高めます。 一方、ガラスは、自動車分野でのフロントガラス、サイド・ウィンドウ、ルーフなどの従来の用途に限定されません。ドアミラー(外装)、ルームミラー(内装)、スピードメーター、燃料計などの計器用ガラス、ヘッドライト、自動車周辺照明(外部照明)でも重要な役割を果たしています。3Dフリーフォームディスプレイ用カバーガラスの登場により、自動車内のディスプレイ技術の新しい可能性をもたらすため、特に注目すべき点です。

精密ガラス成形の技術
FLABEG社は、自動車の幅広い用途に適したガラスを加工するために、研削・研磨、ガラス成形、サグベンディング(曲げ加工)などの高度な技術を活用しています。 研削・研磨は、内装プリズムミラーや装飾部品の仕上げに非常に重要な工程です。ガラス成形も従来の成形方法から高精度な成形方法まで、複雑な形状やフォームの成形が可能です。

サグベンディング(曲げ加工)
高精度の成形工程であるサグベンディング(曲げ加工)では、ガラスを 温度650 ~ 750 °C に加熱し、重力とオプションの真空サポートにより金型上でガラスをたわませます。このサグベンディングは、AR-HUD(Augmented Reality Head-up Display: 拡張現実型ヘッドアップディスプレイ)に必要な大型のフリーフォームミラーを製造するために不可欠は成形工程であり、全体的な偏差は 50 μm(マイクロメートル) 未満、角度偏差は 1 mrad(ミリラジアン) 未満を実現します。

車載ディスプレイ用ガラスの利点
車載ディスプレイにガラスを使用することで、プラスチックなどの従来の素材に比べて大きな利点があります。たとえば、厚さがわずか 1.1 mm のカバーガラスでも、十分な強度があり、2 台のディスプレイを支えることができます。対照的に、プラスチック製のカバーは 2 ~ 3 mm の厚さが必要で、重量も重くなり、ディスプレイの位置が最適ではなくなります。そのため、軽量で高性能なディスプレイシステムには、素材としてガラスが優れた選択肢となります。

自動車向けHMIデザインの将来
3次元(3D)フリーフォームの車載ディスプレイ用カバーガラスを取り入れることで、車両におけるヒューマン マシン インターフェイス (HMI) デザインの革新的な未来を形作ります。これらの車載ディスプレイは、柔軟性のあるグラフィック表示された機能をスマートフォンのようなタッチ操作することで機能が扱えます。 一方、機能によってはドライバーに負担がかかりすぎるリスクや、触覚フィードバックがないため目と手の協調性が低下するなどの課題もあります。

規制と安全に関する考慮事項
ドイツ道路交通規則(StVO)第23条1a条に概説されている現行の規制では、車載のタッチパネル操作は、特定の条件下でのみ許可されると規定されています。これには、運転状況に合わせて音声制御やちらっと目を向けることで注意力散漫を最小限に抑えることが含まれます。
欧州新車アセスメントプログラム(European New Car Assessment Programme Euro NCAP) は、タッチパネル操作がもたらす安全上の危険性について指摘し、2026年までに物理的制御に戻ることを求めています。ユーロNCAPでは、自動車メーカーが基本的機能に直感的な物理的制御を組み込むよう奨励し、運転者が道路から目を離す時間を短縮することで、注意散漫による事故を減らすことを目的としています。

FLABEG社が掲げているスマートガラスのビジョン
FLABEG社のスマートガラス技術におけるリーダーシップは、3D 静電容量フィルム と高精度のフリーフォームガラス技術の革新的な使用に顕著に表れています。同社の豊富な経験とグローバルな事業展開は、自動車用と非自動車用の両方のガラスの幅広い用途に適したガラス加工の最先端企業です。 自動車業界が進化し続ける中、FLABEG社 の最先端のスマート ガラス ソリューションは、車両の安全性、機能性、デザインの向上に重要な役割を担うことは疑いのないところです。

※本記事は、本記事は、glassonlineに特別な許諾を得て掲載しています。
※情報出展元:Glass Technology International_2024_August-Septemberに掲載


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