イタリア・ALUPRO社は1992年に創業した、イタリア北東部ヴェネツィア近郊に本社工場を置くスペーサーメーカーです。従来のアルミスペーサーから最新のウォームエッジスペーサーまで幅広くリジッドタイプのスペーサーを製造販売しています。同社は、イタリア・FENZI社、デンマーク・ROLL TECH社、スペイン・Tecglass社とともに「ガラスアライアンス」グループを形成し、世界中に高品質な複層ガラス用資材を提供しています。


ALUPRO社は創業来アルミスペーサーを主力に製造販売していましたが、昨今ではウォームエッジの需要が旺盛となり、同社の設備投資はウォームエッジ製品の生産ラインを中心に行われてきました。現在、同社の主なラインナップには下記のような製品があります。
(1)アルミスペーサー
(2)ステンレススペーサー:商品名「Chromatech(クロマテック)」

(3)樹脂・ステンレスハイブリッドスペーサー:商品名「Chromatech Ultra(クロマテック ウルトラ)」・「Thermix (サーミックス)」

(4)樹脂スペーサー:商品名「Multitech(マルチテック)」

ALUPRO社はこれらのスペーサーの欧州における使用割合の変遷について、次のように説明しています。
2001年当時、欧州諸国ではほぼアルミスペーサーのみが使用されていました。その後、アルミよりも熱伝導率の低いステンレス製のスペーサーがウォームエッジスペーサーとして市場に少しずつ浸透し始めます。また、更に低い熱伝導率を求め、樹脂とステンレスのハイブリッドタイプのスペーサーが開発されました。

2012年当時では、このようなウォームエッジスペーサーがアルミスペーサーに台頭し始め、欧州各国でアルミスペーサーとのシェアを競う形となりました。

更に時代が進むと、ハイブリッドタイプよりも更に熱伝導率を低くするために樹脂スペーサーの需要が伸び始めます。窓の断熱性能の規制が厳しい英国では積極的に採用が進み、2021年でのシェアは10年で大きく様変わりしています。(ただし、スペインでは法規制により未だにアルミスペーサーが主流となっています。)

では次の10年ではどのような変化が訪れるでしょうか。ALUPRO社では、窓の高断熱化の流れは更に加速し、厳しい法規制を基に樹脂・ハイブリッドのスペーサーが市場を席捲すると予測しています。つまり、アルミスペーサーは今後欧州各国の市場から姿を消していくことを想定しています。(スペインの動向は不明とのことであり「?」が付いています。)このような市場予測のもと、ALUPRO社ではウォームエッジスペーサーに注力しています。

日本では防火認定の基準を満たすため、依然としてアルミスペーサーのシェアが高く、ウォームエッジスペーサーのシェアは20%前後であるものと考えられます。しかしながら、今後も進む原材料価格の高騰と合わせてアルミスペーサーの価格が一段と高騰していく可能性もあることや、日本国内でも高い断熱性能を満たす窓製品が求められつつあるため、国内でもウォームエッジスペーサーの普及は進んでいくことが予想されます。
株式会社TGMではALUPRO社製の全てのスペーサー・付属品を取り扱い可能です。是非、ウォームエッジスペーサーの採用をご検討ください。
<今回のメーカー>
以下画像をクリックしていただくとメーカーのウェブサイトにアクセスできます
本記事に関する問い合わせ先
株式会社TGM 営業部 資材・部品グループ
TEL: 03-6261-1260 MAIL: general@tgm-japan.com

