
板ガラス業界は、EUのネットゼロ産業法案(Net-Zero Industry Act)の目標達成に向けて貢献するとともに、欧州の景気回復及び競争力の強化に取り組んでいます。特に太陽光発電ガラス(PVガラス)や建築用の高機能ガラス製品は、エネルギー分野における脱炭素化と、エネルギー需要の削減に必要不可欠となっています。
欧州の板ガラスメーカーで構成されるGlass for Europe(以下GfE)は、公表した団体声明の中で、EUの産業とエネルギー自律性を高めるために、3つの特定分野においてネットゼロ産業法案の改善案を提言しています。
まず、GfEは、ネットゼロ技術のバリューチェーン基準をシンプルにすべきだと主張しています。欧州においてクリーン技術での生産を拡大するためには、バリューチェーン全体におけるアプローチが必要です。
GfEの広報マネージャーであるLuca Oggianu氏は、「適切な規制の枠組みと良好な市場環境によって、欧州の板ガラス業界は、将来のEU産のソーラーエネルギーモジュールの需要に見合うように太陽光発電ガラスの生産能力を増強することができるであろう」と述べています。
第二に、太陽光発電ガラス生産のような「ネットゼロ戦略的生産プロジェクト」に対する支援の強化が不可欠です。「板ガラス業界では、新しい生産ラインを立ち上げ、長期的な製品競争力の維持するために財政支援を必要としています。EU産の製品は、世界的にもより持続可能(サステナブル)な製品です。この点は評価されるべきだと言えます。」とOggianu氏は続けています。
最後にGfEは、高機能ガラスのような建物のエネルギー効率化技術が、ネットゼロ技術に含まれなかったことに対して遺憾の意を示しています。これは機会損失であり、法案の意思決定を行う議員らに対して早期に対応すべきであると主張しています。
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※情報出展元:2023年5月22日 glassonline記事「Glass for Europe on the Net-Zero Industry Act 」
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