サーモプラスチックスペーサー（Thermoplastic Spacer; TPS）は、熱可塑性樹脂製のスペーサーで、従来のアルミスペーサーなどに代表されるリジッドタイプのスペーサーとは異なり、TPS材料をガラスに直接塗布することによって成形するスペーサーです。主にポリイソブチルを主成分としているため、ガラスとの接着性に優れており、従来のリジッドタイプのスペーサーで用いられている1次シールが不要です。また、TPS材料には予め乾燥剤成分が混合されており、スペーサーへの乾燥剤の封入も不要となります。
リジッドタイプのスペーサーでは複層ガラスの空気層幅に応じたサイズのスペーサー・アクセサリを在庫する必要がありますが、TPSはTPS材料さえあれば、TPS塗布装置（アプリケーター）が空気層幅を調整して塗布することが可能です。在庫が不要となるため省スペース化できるほか、スペーサーの組立・貼付の工程が不要となるので、大幅な省人化が可能となります。
TPSの導入にはTPSアプリケーターの他、TPSに対応した複層ガラス製造ラインが必要となるため、設備投資は大がかりなものとなりますが、今後ますます加速していく省人化の需要に応えることが可能です。
◆TPS材料 FENZI社製BUTYLVER TPS／TPS2020
色：黒色
密度：1.20ｇ/cm3
荷姿：215kg/ドラム
◆TPS塗布装置（アプリケーター） FOREL社製 TPS塗布装置 ART.TA
FOREL社製の複層ガラス製造ライン「High Tech」シリーズに組み込むことで使用可能なTPS塗布装置です。ガラスの投入後は人の手を介さず複層ガラスの製造ができるため、高いレベルの自動化・省人化を実現します。ART.TAで形成可能なスペーサーの高さは標準7mmで、空気層は6～20mmで調整可能です。TPS材料を高温でコントロールし、ガラス上に塗布してスペーサーを形成します。是非動画で装置の動作をご覧ください。
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